就活日記48 「猛進の空白地帯」

 

六月が終わろうとしている。

 

空は今になって梅雨入りに気づいたかのように雨が降る。

 

ぼくは面接も筆記もないこの季節に、せっせとエントリーシートを書く。

 

面接がたくさんなら、雨に降られながら会場に行かないといけない。

ESはかなりパツパツに締め切りがあるけど、雨に濡れなくていいから少し、ラッキー!なんて思ってみたりする。

 

普通に就職が決まっていたら「雨のせいでテンション下がるやんっ」なんて言っているのだろうから、自分の置かれた状況で人の心持ちは驚くほど変わるのだ。

 

面接ないからゆっくりしてるわけではなくて、屋内で文章を書くのに忙しい。

 

机に向かうことが多いから色々考えてみた。

 

自分を企業が気にいる人に変える努力が実っているか。

実ってない。というより非常に違和感を感じる。実りたくないと言った方が正しいかもしれない。

 

また考えてみる。じゃあどうしたらいいのかと。

 

ここで意外と吹っ切れた。私は私だ。周りの人は「よく話す」とか「面白いアイデアを思いつく」だとか言ってくれる。

あとは「いろんなとこ行って真面目に活動してる」「デリカシーがない」「喋るのがうまい?」なんかも言ってくれる。

 

よし。このままで行こう。

自分を変えるのはやめた。今までの困難や課題は行動と喋りで乗り越えてきた。

 

ここにきて頭を縦に振りながら笑顔を振りまく人にいきなりはなれない。

 

ならば自分の「相手をその気にさせる」というところを磨くしかない。

 

「おっ?こいつおもしろいな。なんか雇ったら儲けれそうや!」と思わす方向でいく。

 

育ち方なのかなんなのか、相手の目を見てどんなこと考えているんだろうといつも気にかけている。なので、自分の意見を突き通したい時以外は、だいたい他人に合わせて喋る自分の個性をうまく生かしたい。

 

面接現場を観察して、相手を見ながら、相手の企業にとって相手の面接官にとって的外れな回答ではなく、なおかつこいつの言ってることを実践して見たら面白くなるかもと思ってもらえるようなプレゼンをする場として向かって見たい。

 

そう私は商品だ。

労働力という商品だ。

 

面接官や企業から見ると、労働市場という、スーパーに並んだ商品の1つなのだ。

 

お金を出してまで欲しい商品とは何か。

無難なもの。安いもの。今まで失敗してこなかったもの。おもしろいもの。

 

なら、おもしろ枠でお勧めさせていただきます。

まだ社会人じゃないけど、営業職になる可能性が高いのだ。

 

いまから自分という商品を売り込んでくる。